子どもの権利条約を日本が批准したのは、今から31年前の1994年4月のことです。この「批准」が表す意味は、日本が国として子どもの権利条約の趣旨に賛同し、受け入れ、守りますという国家意思を世界に向けて発信する。また、国内においても憲法に次ぐ最高法規の一つに位置づけますという姿勢を示したことに他なりません。が、その後の30年間、こども達を取り巻く環境はどうだったでしょうか。
子どもの権利条約が定める4原則は、第2条、差別の禁止。第3条、最善の利益の追求。第6条、安全な発達保障。第12条、意見表明権の尊重です。そして、これを守るのは私たち大人の役割です。
こども達の権利擁護にとって、決して味方とはなっていなかったこれまでの30年間を振り返り、今後は、子どもの権利条約を日常的に意識し、行動に反映させていくことが大切です。聖霊乳児院においても、こども達の声にならない声に耳を澄まし、寄り添い、抱きしめていきたいと思っています。 (院長 常盤秀樹)
注)「こども」の表記については、子どもの権利条約以外は「こども」としております。